先日、岡山に単身赴任中の恵比寿の飲み友達に連れて行ってもらった倉敷は美観地区ど真ん中のお店がとてもいい匂いだったので、番外編としてご紹介を。
- お店のコンセプトは店主の「あたしが好きだから」
- できることをやってるだけ…が店主の口ぐせ
- 世間の流行には疎いが季節の移り変わりには敏感
- そんな店主と距離が近いカウンター席がVIP席
- 結果、そのお店独自のルール(流儀)ができあがっている
- それをイチゲンサンにそれとなく教える担当の常連さんがいる
- and more …
唐突ですが、常連さんに支持されながら長続きするお店に共通する(とボクが思っている)ポイントです。個店にいちばん大切な「個性」があるかどうかのバロメーターと言い換えてもいいかもしれません。挙げればまだまだキリがないですが。
お客様が望むものを…という幻想に取り憑かれてこの個性を見失い均質化してしまうお店がたくさんある中で、ボクはコレけっこう重要なポイントだと思ってます。
そういう意味で、この「野の」はすこぶる個性的。言葉を変えればエゴイスティックかつ、マイペース。
料理とお酒、インテリアと音楽、どれひとつ取っても一見調和しているはずのないモノが生み出している和音がなぜか心地いい理由は、たぶんそのマイペースっぷりからくるものだと思います。

そんな、一見不協和音なのに和音な雰囲気をわかってもらうのにいちばんいいのがこの写真じゃないでしょうか。アードヴェックのボトルの下につげ義春選集があって、左にはトイ・ストーリーのナントカちゃんのフィギュア。店内のインテリアはアジアンアンティーク風なのに。ここにプラスする最適なBGMなんてもう「店主と常連さんの好み」以外に正解はないわけです。
きっとここに至るまでにママさんの試行錯誤の時期もあり、それを伴走しながら見てきた常連さんがいて、そんなハナシを肴に古参と新参の常連が肩を並べる夜があって…そんなことが想像できるとてもニュートラルであったかい空間でした。
もし機会があったら、ぜひ倉敷でそんな雰囲気=いいにおいを体感してみてください。





余談ですが、このお店に連れて行ってくれた友達の依頼で、野の10周年をお祝いする書 を書かせていただきました。

特に情報非公開の隠れ家でもなく、出し惜しみするわけでもないんですが、なんとなくこの「野の」の情報は伏せておくことにします。調べればすぐに住所も出てくるのであんまり意味はないんですけどね。倉敷は美観地区の路地裏にひっそりとあるこちらのお店、ぜひ夜の美観地区を散歩しながら探してみてください。
いいお店です。

酒とおばんざい 野の(のの)倉敷・美観地区
18:00PM~24:00AM
日曜日不定休