恵比寿駅西口から駒沢通りを渡ったケンタッキー側、住所で言うと恵比寿西1丁目1番地界隈は比較的大手チェーンが進出していて、局地的に渋谷化が進んでいるエリアです。夜になると居酒屋の呼び込みのお兄ちゃんお姉ちゃんでいっぱいなので、行きつけのお店がある地元の人たちも避けがちですが、路地裏にちょいちょい老舗な銘店もありまして。
さいきはいわゆる飲み屋さんです。「和食処」というとちょっと違うし、「居酒屋」というくくり方も何かしっくりこないし。昭和な言い方だと「酒処」とかになるんでしょうか。
こういうお店を的確に表現するカテゴリーを残しておかないと、いずれこういうお店も絶滅してしまいそうな、そんな気がする今日このごろです。ぐるなびさんよろしくおねがいします。
さいきでは、飲み物をオーダーすると、お通しが3品自動的に出てきます。お通し1,300円なり。
と、ここまでがお通しです。
だいたい2種盛りのお刺身と小鉢とちょっとした焼き物などが出てくるカンジですが、がっつり腹減りじゃなければもうこれだけでお酒が3杯は飲める量。
写真の日のお通しは、お刺身にハタハタ、そしてホタルイカのマリネ。
ちなみに飲み物は、ビール、焼酎、日本酒。
いくつか銘柄がありまして、一ノ蔵を凍らせて出してくれたりもします。
年季の入った黒板にだいたい30品ほど書かれている品書きは季節によって変わるので、みなさんご自身でお確かめくださいということになるわけですが、定番の中から個人的におすすめするのはジューシーなだし巻き、揚げるスタイルの海老真丈(しんじょう)に厚揚げ、タテに真っぷたつに切って出される串かつです。
さいきには、ボクが上京したての頃、オフィスを仲介してくれていた不動産屋さんに連れられて行ったのが最初でした。当時はまだ30ちょっとの若輩だったので、ロマンスグレーからピュアホワイトなベテランの常連さんの雰囲気にあっとうされてしまい、2~3度通ってあえなく敗退。
ようやくボクも40代になったので、これからは堂々と通おうと思います。
当時はカウンターに座って常連さんの相手をしてた大将は、最近はお店の前に座って道行く人に声をかけたり、お客さんの出迎え、見送りをしたり。あらためてこのあいだ話を聞いてみたら、創業は昭和23年だそうです。
もう60年オーバーの老舗ですね。キッチン・ボン も昭和33年からなので、この界隈の飲食店でこのさいきより古いのはもう 福寿司 くらいでしょうか。
ちなみにこちらは2階の二間続きのお座敷。昭和の民家そのままな佇まいがなんとも言えずいい雰囲気。おすすめは2階席の道路側。浅い時間から、日が沈んでいく恵比寿の下町風景を眺めながら飲むとたまりません。
場所は、恵比寿西口の交番前の信号を渡り、UFJ銀行の脇の細い路地を進んで行って右手。のんびり歩いても駅から2分ほどです。
小さいお店なうえに常連さんの数がハンパないので、事前に電話して行ったほうがいいと思います。予約もできるんですが、ご想像の通り時間制とかそういうカンジではないので、早い時間ならいいと思いますが、「9時から2名で予約を…」みたいな不粋なことは遠慮しときましょう。
天気がよければ、軒先に腰掛けた大将が「おかえりなさい」と出迎えてくれますよ。
2014年9月25日 追記
人気TV番組 孤独のグルメ SEASON4の最終回で紹介されてしまいました。
先週の予告放送の直後からアクセスもすごいことになってます。
混むんだろうなぁ…
さいき 恵比寿
03-3461-3367
17:00PM~24:00AM
土日祝休
東京都渋谷区恵比寿西1-7-12